第14回定期公演
The 14th Regular Concert
2010年5月16日(日)
ティアラこうとう 大ホール
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開場 13:30 開演 14:00
指揮:時任康文
プログラム
ポール・ラヴァット=クーパー/
ウォーキング・ウイズ・ヒーローズ
Paul Lovatt-Cooper:Walking with heroes
ポール・ラヴァット=クーパー/ドニゴール・ベイ
Paul Lovatt-Cooper:Donegal Bay
バリトンソロ:山戸宏之
Baritone Soloist:Yasuyuki YAMATO
エリック・ボール/交響詩「復活」
Eric Ball:Resurgam "I Shall Rise Again"

第14回定期公演

時任康文
P.I.チャイコフスキー/小泉貴久編
バレエ音楽「白鳥の湖」より抜粋
Peter Ilyich Tchaikovsky:Swan Lake
Introduction
「導入曲」
No.1 Scene
第1番「情景」〜ジークフリート王子の誕生パーティー〜
No.2 Valse
第2番「ワルツ」〜村娘たちの群舞〜
No.5-a Intrada
第5番-a「イントラーダ」〜ジークフリート王子と宮廷女官の入場と踊り〜
No.5-b Variation
第5番-b「ヴァリアシオン」〜ジークフリート王子と宮廷女官の踊り〜
No.10 Scene
第10番「情景」〜夜の湖畔〜
No.13-d Danses des Cygnes
第13番-d「四羽の白鳥の踊り」
No.13-e Danses des Cygnes pas d'action
第13番-e「オデットと王子のパ・ダクシオン」〜オデット姫とジークフリート王子の踊り〜
No.18 Scene
第18番「情景」〜お城の大広間にて 黒鳥オディールと悪魔ロットバルトの登場〜
No.21 Danse espagnole
第21番「スペインの踊り」〜来客の踊り〜
No.22 Danse napolitaine
第22番「ナポリの踊り」〜来客の踊り〜
No.28 Scene
第28番「情景」〜嵐〜
No.29 finale
第29番「終曲」
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質問 |
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コンサートレポート 山本武雄
日本ブラスバンド指導者協会 理事長
洗足学園音楽大学 教授
ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウの第14回定期公演が、去る5月16日(日)14:00よりティアラこうとう大ホールにて開催されました。
日本を代表するブリティッシュ・スタイルの金管バンドとして、今年創立15周年を迎えました。今回の指揮者には、オーケストラやオペラ、吹奏楽で活躍している時任康文氏を迎えての演奏でした。時任氏は金管楽器のことをよく知りつくしており、発足当時、たびたびヴィヴィッド・ブラスとの共演をしています。今回は8年ぶりの共演です。この8年間ヴィヴィッド・ブラスは様々の指揮者と共演し、バンドの実力も向上しました。指揮者の時任氏も様々な演奏形態で音楽の経験をし、このブリティッシュ・スタイルの金管バンドで“どのような音楽表現が可能か”を、奏者と一緒になって“音楽創り”をしているすがたを見て、見ていても聞いていても、聴衆に感動が伝わり、私もブラスバンドを愛する者の一人として、大変うれしく思いました。
一部では最近、英国でもよく取り上げられる若い作曲家、ポール・ラヴァット=クーパー作曲の「ウォーキング・ウイズ・ヒーローズ」と、同作曲家の「ドニゴール・ベイ」が演奏されました。開演にふさわしい「ウォーキング・ウイズ・ヒーローズ」はバンドの配置をよく考えられた演奏で、コルネットを左右に配し、トロンボーンを中心に立奏させたファンファーレ用の配置で、バンドの中心にコの字形になり中、低音のまとまりのなかで、明色楽器のコルネットとトロンボーンのサウンドとの対位がくっきりとしており、新しいブラスバンドのサウンドの可能性を出す事に成功していました。演奏もスピード感ある良い演奏で、演奏が始まったと同時に、体がゾクゾクとした気持ちよさを感じました。アマチュアのバンドでは表現出来ないプロの奏者たちの音楽が聞けました。2曲目はバリトンのソロを山戸宏之氏が奏しました。山戸氏は英国で勉強した人ですが、本当のバリトンホーンの良い音をもっています。ともすると、日本ではユーフォニアム奏者が、持ち替え楽器としてバリトンを吹くので、少し暗いサウンドになりがちですが、バリトンホーン本来のサウンドを聴衆に聞かせてくれた事は大変すばらしい。このバリトンホーンが、珍しい楽器と思われていているうちは、まだ日本のブラスバンドはだめで、本当のバリトンホーンが、いかにブラスバンドにとって重要かを示す上でも、もっともっと発信してほしいです。
一部の最後はブラスバンドの名曲中の名曲であるエリック・ボールの「復活」でした。英国でブラスバンドを演奏している人達のうち、8〜9割の人々が「自分の一番印象に残る曲」としてあげるのが、この曲です。
ヴィヴィッド・ブラスの演奏は、現代的で大変上手でしたが、出来たら精神的な面までもう少し表現出来ると良いと思いました。サウンド的にもEb管とBb管の楽器が創り上げる倍音の響きの良さ。特にバスパートではオーケストラのチェロとコントラバスの奏するユニゾンのすばらしさ。このサウンドがほしかったのですが、オーケストラのテューバ(ソロ)が、何人かで奏している感じに聞こえ、中音域のアルト、テナー、バリトンの声部を包み込むのではなく、中音域の声部をこえてしまった感じに聞こえました。特に配置がコの字型をとっている時の声部のバランスは難しく、ともすると強奏では、高音域と低音域のみが大きく聞こえ響きが豊かになりません。音量のみでダイナミックスを変化させているような感じでした。音量は少なくても、豊かな響きが大きく感じられるような声部のバランスをとったらすばらしい。ホーンやバリトン、2nd、3rdコルネットの内声の大きさにより、その音量が生かせるバスパート。ソプラノ声部は、内声の上にのった響きが表現出来たらすばらしいと思いました。フレーズの歌い方や音楽の流れはすばらしいので、サウンド的にもう少しオールドファッションのサウンドでも良いと思いました。
第二部はチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」を小泉貴久の編曲で演奏しました。編曲を行った小泉氏はブラスバンドの事を良く知りつくしているので、聞いていても不自然さは感じませんでしたが、時々オーケストラの弦楽器の響きが、なつかしくも思いました。これだけの多くの曲を編曲し、演奏した事には敬意をはらいたいと思います。研究発表としての努力が充分伝わってきます。一聴衆として見ると、この内の何曲かはブラスバンドとしても楽しく聞けますが、これだけ多いと少し色彩的に何か変化を求めたくもありました。原調で演奏したそうですが、これはアマチュアでは無理で、プロの団体であるヴィヴィッドならではの演奏です。
ヴィヴィッド・ブラスは今まで現代的なサウンドでコンクールの課題曲のような難曲を日本初演し、日本のブラスバンド界を引っ張ってきました。新しいサウンドを求めて、ブラスバンドの音楽的向上を引き上げてきたのも事実です。今や英国のバンドも変わりつつあります。それはヨーロッパ各国のブラスバンドが技術的にも音楽的にも大変向上し、オーケストラトーンのみならず、ブリティッシュ・サウンドも取り入れ、両面できるようになったからです。
英国のトップバンドでは、オールドファッションのブリティッシュ・サウンドだけでなく、オーケストラトーンも取り入れるようになりました。アマチュアの2nd、3rd、4thセクションバンドではまだオールドファッションのサウンドですが(それしか出来ませんが)それは楽しみの一環として良いと思います。
日本を代表するヴィヴィッド・ブラスはぜひ世界に通用するサウンドを目指し、ブラスバンドの音楽的向上に向かってがんばっていってください。応援しています。
日本ブラスバンド指導者協会 理事長
洗足学園音楽大学 教授
山本武雄
コンサートの聴き所
Hearing place of concert
本場のブラスバンド・サウンドを求めて渡英した5年前、ロイヤル・アルバート・ホールで生の響きを体感した瞬間、私の体中に走った「電気のような衝撃」を今でもしっかりと覚えています。更にブラスバンドの魅力にとりつかれてしまった私は、それ以来毎年渡英しては、自身の演奏向上や、少しでも多くの方々にブラスバンドの魅力を伝えたい想いで、日々の音楽活動に励んでいます。
今回の演奏会は第1部で、ブラスバンドの「今・昔」という流れをコンセプトに、1.2曲目ではここ数年、本場イギリスだけでなく日本でも演奏される機会が多くなった人気沸騰中の作曲家、P.L.クーパー氏の作品を取り上げました。 まさに「新世代の作曲家」の登場を印象付けるような「WALKING WITH HEROES」で演奏会をスタートさせ、作者のブラスバンドへの熱いエネルギーと新たな時代の幕開けをヴィヴィッド・ブラス・トーキョウがお送りします。2曲目「DONEGAL BAY」では、彼の奥深い才能や可能性を感じさせるような心温まるメロディーを、山戸宏之のバリトン・ソロでお送りします。
そして、第1部のメインには、ブラスバンドの歴史を語る上で無くては成らないこの人・・・昨年、没後20周年を迎え、現在でもイギリスをはじめ、世界中のブラスバンドファンにこよなく愛され続けている作曲家、E.ボール氏の交響詩「復活」。オーケストラの世界では誰もが「ハイドン」を学び経験するように、ブラスバンド界では彼の巧みな技術によって書き上げられた美しいサウンドやメロディーを誰もが学び経験し、現在でも多くの団体によって演奏され続けています。昨年のナショナル・ブラスバンド・チャンピオン・シップでは、彼の作品の旋律をもとに書き下ろされたシンフォニー形式の課題曲だったこともあり、ほぼ全ての団体がここ数年の明るいサウンドではなく、オールドスタイルのサウンドに仕上げているのがとても印象的であったのと同時に、ブラスバンドプレイヤー達の、彼の作品に対する想いの深さが伝わってきました。ブラスバンドを愛する我が団も、彼が残した音楽を団の結成以来15年ぶりに取り上げ、彼の魅力を引き出せるよう追求すると共に、ヴィヴィドメンバーならではの新たなサウンドや音楽表現をお楽しみ頂けることと思います!
続く第2部では、バレエ音楽「白鳥の湖」より抜粋をお送りします。日本ではバレエのみならず組曲や単独の楽曲としても数多く公演されており、とても多くの方に親しまれています。全4幕、総演奏時間3時間を超えるこの名曲は、どの音楽も素晴らしく抜粋するのにとても苦労しましたが、その中から選りすぐりの楽曲をお送りします。
日頃はオーケストラプレイヤーとしても活動しているメンバーは、これまでに数多くの公演に出演している上、今回8年ぶり7回目の共演となる当公演の指揮者、時任康文氏はオペラ、バレエ公演やオーケストラ公演でも表現豊かな音楽作りに定評がありますので、双方が融合して作り出す彩り豊かなサウンドや表現をブラスバンドでお楽しみ頂けることでしょう!
ブラスバンドのオリジナル作品はもちろんのこと、オーケストラ作品までをも取り上げたヴィヴィッドの演奏会を、会場にて存分にお楽しみください!!
ソロテナーホーン奏者 原 進
お知らせ
Information
このコンサートでは、聴覚に障害をお持ちの方にも演奏をお楽しみいただくために
「体感音響システム」を使ったお席(無料)をご用意しております。
ご希望の方は下記へ直接お問い合わせください。
パイオニア(株)「身体で聴こう音楽会」事務局
FAX:044-580-4014 TEL:044-580-1062

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